アディッシュ、「模倣品・海賊版商品パトロールサービス」の提供開始

ECのミカタ編集部

「模倣品・海賊版商品 パトロールサービス」の提供開始。ECサイトの監視を通してキャラクターの権利を有する企業の権利侵害対策を支援

アディッシュ株式会社(以下:アディッシュ)は2024年9月19日より、「模倣品・海賊版商品パトロールサービス(以下:本サービス)」の提供を開始した。

キャラクター商品を対象に監視

本サービスは、ECサイトで販売されているキャラクター商品を対象に監視を実施。最初にキャラクターの権利を保有する企業へヒアリングを実施し、事前に監視手法の設計を行う。

アディッシュで事前に調査した模倣品や海賊版商品が販売されている可能性が高いサイトを提案し、キャラクターごとに選択。監視は平日の9時~18時に、予め定めた時間数の中で個々の新着商品を有人監視し、監視後は権利侵害の可能性がある商品を企業に報告する。

企業は報告書をもとに、通報する商品の選定やガイドラインの整備、販売しているプラットフォーマーへの削除依頼など、どのような対応を講じていけばよいか検討することが可能となる。

※画像元:「模倣品・海賊版商品パトロールサービス」の提供開始(アディッシュ株式会社)

キャラクターやサイトによる販売傾向も調査

アディッシュは過去、2つの著名キャラクターを用いてサイト別に非正規商品がどの程度販売されているのかを調査(※1)。

子供向けキャラクターAとゲームキャラクターBでは非正規商品販売傾向が異なり、Aについては、メーカー名やタグ表記がない非正規品と見られるアパレル商品や、他社製品にAのシールを貼り当該キャラクター商品と称して販売している商品が確認できた。一方、Bでは正規品の転売が大多数を占めていることが判明した。

また、Fサイトにおいて非正規商品販売比率の差が顕著に出ており、Bについてもほとんどの商品が非公式のものと見られるという結果に。

本サービスではこうした、キャラクターやサイトによる販売傾向の違いも加味したうえで、見るべきサイトの提案や企業への報告方針などを設計し、企業毎に適切な監視を実施する。

※1:調査名称:キャラクターの非正規商品販売比率の比較、調査時期:2024年8月下旬の平日9時~18時、調査方法:子供向けキャラクター商品とゲームキャラクター商品の新着商品を、4つのECサイトで合計50分ずつ巡回し目視により監視

※画像元:「模倣品・海賊版商品パトロールサービス」の提供開始(アディッシュ株式会社)

権利侵害がコンテンツ産業界全体の課題

日本のコンテンツの海外売上はゲームやアニメの割合が高く(※2)、中でもアニメ関連グッズに関しては、2016年に聖地巡礼によるインバウンド観光客の購入額は356億円の試算になるなど(※3)、日本のコンテンツは国内にとどまらず海外からも大きな人気を獲得している。

こうした市場活性化の一方で、権利侵害もこれまで以上に目に留まるようになっている状況だ。非公式のグッズや商標・キャラクターを無断使用した商品がフリマサイトで売買されたり、絵本読み聞かせ動画サイトが出回ったり、またメタバースなどの仮想空間で現実世界の商品の模倣品やコンテンツのコピーアイテムが売買されるなど、業者だけでなく個人による権利侵害がコンテンツ産業界全体の課題となっている。

企業は本サービスを通じて非正規商品の現状把握や通報するための情報収集を行い、今後の対応策を講じることが可能となる。知的財産権保護の対策強化を進め、健全な市場環境を生み出すきっかけとして活躍するはずだ。

※2:内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局「新しい資本主義実現会議(第26回)基礎資料」 2024年4月17日
※3:株式会社日本政策投資銀行 コンテンツと地域活性化 2017年5月


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事