カナ表記 ルヱ/ルウェ
ru「痕跡・事実」 の所属形。
ruwe (形式名詞)
- 文末で、判断、断定、確認の語気を付与する。
- ruwe un. (疑問に対する肯定の返事) その通り。そうだよ。
- ...... ruwe ? ……ですか? ……なの? (疑問文を作る)
- ...... ruwe ne. (事実であることの断定) …なのだ。……のです。
ruwe neという表現は、アイヌ語の他の主観性証拠性表現と違って、客観事実について述べる時に用いられ、また他と比べて高い頻度で使われ、特に昔話や伝説を語る時に頻繁に使われる。また、女性よりも男性のほうがよく使う表現である。日本語の「のだ」「んだ」などに類似して、場面転換や話の総括をする統括的な働きをするため、よくruwe ne akusuのように共起する。[2]
- ↑ 貝澤とぅるしの (1969), “6-1 ウエペケㇾ「ヌサコㇿカムイ イカオピューキ」(祭壇を司る神さまが私 を助けた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 吉川佳見 (2020), “ruwe ne の「語り」における機能についての試論”, 千葉大学 ユーラシア言語文化論 22: 257-271