コンテンツにスキップ

子

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版（Wiktionary）』

漢字

[編集]

子

手書きの字形では、第2画は曲げて書くのが普通だが、曲げずにまっすぐ書いてもよい。「当用漢字字体表」におけるこの字の第2画はまっすぐに書かれている。[1]

字源

[編集]

甲骨文字 金文 甲骨文字

簡帛文字

小篆

流伝の古文字
殷 西周

戦国時代 《説文》
（漢） 		《六書通》
（明）
  1. ↑ 裘錫圭 『文字学概要』 商務印書館、1988年、114頁。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、970-971頁。

意義

[編集]
  1. 男女の間に生まれた者。または、それ同様に育てられた者。または、そのような者と同様の責務を負う者（対義語　親：おや）
    1. そのうちの男。むすこ。（対義語　女：むすめ）
  2. こども、児童（対義語　大人：おとな）
  3. 果実、種
  4. 十二支の第一。ね。（対義語　午：うま）
    1. 北。
    2. 真夜中。
  5. 爵位のひとつ。
  6. 四部分類の子部。諸子百家、雑学。

語源

[編集]
  • シナ・チベット祖語 tsə （子孫、子供）より派生。
    • チベット語 ཚ （甥、孫）、西夏語 𗪉 （甥）等と同根。[語源 1]
  1. ↑ Paul Benedict, Sino-Tibetan: a Conspectus, Cambridge University Press, pp. 27, 154.
    龔煌城 「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」 『漢蔵語研究論文集』 北京大学出版社、2002年、115頁。
    Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 633.
    Shuya Zhang, Guillaume Jacques, and Yunfan Lai, A study of cognates between Gyalrong languages and Old Chinese, Journal of Language Relationship, 17, 2019, p. 79.

例文

[編集]
  1. ↑ 『漢字の○×』p.41 江守賢治（日本習字普及協会 1977年11月）

日本語

[編集]

発音(?)

[編集]
こ（小野妹子）、さね、しげ、しげる、たか、ただ、たね、ちか、つぐ、とし、ね、み、みる、やす
フリー百科事典ウィキペディアに 「子」の記事があります。

名詞

[編集]
  1. （こ）息子又は娘
  2. （こ）こども、児童
  3. （こ）若者。特に若い女性
  4. （ね）十二支の第一。ね。
    1. （ね）方角を表す語。北の方角。
    2. （ね）時刻を表す語。午前0時頃。午前0時 - 2時もしくは、午後11時 - 午前1時。
    3. （ね）子年のこと。
    4. （ね）陰暦の11月。
  5. （シ）子爵の略。
    • 藤波子

関連語

[編集]

十二支

文字 音 訓 動物 方位
（八卦）
子 シ ね 鼠 北（坎：カン）
丑 チュウ うし 牛 北東（艮：ゴン　うしとら）
寅 イン とら 虎
卯 ボウ う 兎 東（震：シン）
辰 シン たつ 龍 東南（巽：ソン　たつみ）
巳 シ み 蛇
午 ゴ うま 馬 南（離：リ）
未 ミ ひつじ 羊 南西（坤：コン　ひつじさる）
申 シン さる 猿
酉 ユウ とり 鶏 西（兌：ダ）
戌 ジュツ いぬ 犬 北西（乾：ケン・カン　いぬい）
亥 ガイ い 猪（豚）

接尾辞

[編集]
  1. (シ）（年少者に限定されず、成年を含む）ひと、者。
  2. （シ） (古語・廃語) 中国の歴史上の人物につける敬称。先生。
  3. （シ）何らかの働きを持つ小さなもの。
  4. （こ、シ） (古語・廃語) 諱を作る。
  5. （こ）女性の名前を作る。また女性や女性風のあだ名を作る。
    • 花子。
  6. （こ）職業名や人の属性などを表す語を作る。
    • 針子。
    • みて子（=未成年者）

代名詞

[編集]
  1. （シ） (古語・廃語) 2人称代名詞、あなた。
      • 子の矛を以て、子の楯を陷さば、いかん。（韓非 『韓非子』「難勢」"以子之矛陷子之楯何如。"）
  2. （シ） (古語・廃語) 3人称代名詞、目上の男性を指す。先生。
      • 子曰く、学びて時にこれを習う、また説ばしからずや。（孔子 『論語』「学而」"子曰學而時習之不亦說乎"）

熟語

[編集]

仮名

[編集]
  1. ネ。カタカナの「ネ」の異体字として明治初期まで使われた。ひらがなの変体仮名の「𛂘」とは字形が異なる。
    • 剥篤亞斯（ポットアス）蘭 「シ子レス、カラーヘルラチ」羅
      […] 是ヲ燒ク法、曠野ニ一大坑ヲ穿チ其底ト内圍ニ遍（アマ子）ク瓦磗ヲ敷（シキ）連子、樹ノ幹枝𪜈ニ截（キリ）テ其内ニ積ミ焚（モヤ）シ了（オハリ）テ煙消シ通紅トナルトキ尋常（ツ子）ノ灰汁（アク）ヲ取テ少シ宛（ツヽ）頻〻ニ撒（マキチラ）ストキハ其灰ノ鹽氣凝結𬼀堅キ塊片トナル。 (宇田川榕菴、『遠西医方名物考』、巻四、1822)
    • 小杉イ子議員 (第1回国会参法一覧)

中国語

[編集]

子 *

熟語

[編集]

朝鮮語

[編集]

子 *

熟語: 朝鮮語

[編集]

ベトナム語

[編集]

子 *

文字情報

[編集]

文字コード

[編集]

点字

[編集]

脚注

[編集]
「https://ja.wiktionary.org/w/index.php?title=子&oldid=1902689」から取得