【助かり合いを大事に⑥】同じ社会を生きる人の困りごとと向き合う「場づくりネット」〜関係性モデルと応答関係〜
■最初に
こんにちは!サイボウズのもっちーです😊
さまざまな相談を受けたり、やどかりハウスというゲストハウスとして駆け込み宿をやっていたり、地域をつなぐ活動をしている「場づくりネット」
前回は、制度のはざまと助かりあいについてお話ししました。
今回は、関係性モデルと応答関係についてのお話しです!
▼以前の記事
①つながりあうさまざまな活動
②上田で広がる助かり合いの輪
③助かり合いと文化の共生
④制度のはざまと助かりあい
⑤絶望から希望へ活動の原点
〜場づくりネット〜
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■関係性モデルと応答関係
〇声を聴く・場を創る
場づくりネットさんでは、電話やSNS相談もやっています。
そのお話しを聞いてみました。
そうなんです。
電話とかSNSの相談で、
年間10,000件ぐらい相談を取ってるんですよね。
法人としては、心臓部って呼んでいて、
やっぱりそこでたくさんの人たちの声を生で聞くわけじゃないですか、
それをただ消費するっていうか、その時に安心させて終わるとか、
それだけだとやっぱり僕はすごく罪深いと思っています。
ちゃんと人々の声を聞いた責任が僕にはあると思っているんです。
ひとりひとりの声を聞いて、
どういう人がどういうことに困っている社会であるのかとか、
なぜこういう社会になっているのかっていうことを、
毎回振り返るっていうことを、
法人の根っこにしていて、心臓として大事にしている活動です。
そこで見えてきたことをちゃんと場に変えていくっていうのが、
場作りネットっていう方針を作った1番のモチベーションなんです。
そして、その1つがやどかりハウスです。
地域自体が変わっていったり、
自分たち自身が変わっていくっていうことを日々模索していく
っていうのが、法人の仕事っていうことにしています。
○対話と共生の場づくり
法人としては他にどんな動きをされているとかあるんですか?
と聞くと、
最近、対話の居場所っていうのをやっていて、
死にたいとか検索すると上に上がってくる、
コミュニティサイトがあるんですよ。
ネット上のそれが結構バズっていて、
若い子たちでいろいろ自分の経験とかを書くところがあったりするんです。
そのサイトを運営するのをちょっと手伝っていたりとか。
本当に苦しい思いしている人たちの声が日夜届くんです。
毎日毎日、それに返事を書いたりとか、
そこでどういうコミュニティが作れるかっていうことを研究したりとかをやっていたりするのと、
後はまあ、その街中でやどかりハウスをやったり、
のきしたっていう運動であったり、その辺が中心ですかね。
街中で仕事が体験できるようなことも、
街にいろんな居場所ができるっていうことを期待してやっていたりとか、
街自体が色んな人を受け入れることで変わっていくことを期待している、
「耕す」っていう仕事の1つです。
我々は「みみをすます」っていう、
相談を受けて、自分たちの社会のことを考える。「みみをすます」っていう仕事と、
「出会い直す」っていう、色んな「出会い直す場」を街中に作っていく、あるいはネット上に作っていく、いろんな出会い直しの場っていうのを作っていくっていうのがあって、
その2つの仕事で耕すっていう、そういった社会インフラを開発していく、作っていく、場づくりネットとしては、おもな3つの仕事としてやっています。
全てが循環していくような感じです。
〇孤独を超えて〜関係性モデルの実践〜
応答関係っていっているのですが、
誰かと応答する関係性っていうのが、
だんだんなくなってきていると課題に思っています。
「複数の人に共有された秘密は有用だが、
ひとりだけの秘密は破壊的なものだ」
っていう、ユングの言葉があるのですが、
現代の日本って、
本当にそういう自分の中でだけ抱えている困りごとが、
秘密ごとが多くなっていて、
完全に1人だけで秘密を抱えざるをえなくなると、心は孤立し、
損なわれてしまうのに、
ちょっとしたことだって、
誰かに相談できなかったり、迷惑がかかるとか、
あるいは自己責任であるとかっていうので
自分の中に秘密を抱え込んでいくっていうことがあって、
それが凄く人々を破壊していることがあると思っているんですよね。
その出口をSNSとか開くとみんな求めてやってくると思うんですけど。
やっぱり人々がそういうことを、
悩みを共有できなくなっている世界なんだ
ってことが言えると思っていて、
それは、みんな安心してないからだなっていうのもすごく思っていて。
言ってどうにかなると思えないとか。
言ってもまた攻撃されて、自分が責められて終わるとかね。
だから、安心できる関係性みたいなものを、
もう1回どう作るかっていうことを今模索しているんです。
関係性モデルってよんでいて、
障害のモデルに、医療モデル、社会モデルってあるじゃないですか。
障害がある人、その人に対して社会に適用できるように指導をするっていうのが医療モデルで、
社会モデルっていうのは、社会の側にその障壁があるから社会の側を変えていかなきゃいけないっていう社会モデル。
僕はそれだけじゃ足りないと思っていて、
その足りない1つに関係性モデルがあると思っています。
社会の中にどういう関係性を取り戻していくかっていうところがあって、
それが、関係性モデルで世界的インフラ作り、
その社会をバリアフリーにするっていうことではなくて、
世界の中に対話が生まれたりとか、
関係性が発生するような余地をどう作るか
っていうことだなっていう風に思っているんです。
■最後に
最後までありがとうございました。
たくさんの人たちの生の声を聞いて、声を聞くだけにしない。
声を聞いた責任があると、人が安心できる仕組みを作って、
場を作っていっている。
まさに「場づくりネット」なのだなと感じました。
次回は、街で実践している応答関係についてです。
次回も見てもらえると嬉しいです😊