転職エントリ②|DeNA to ナレッジワーク|イネーブルメントという海に起きている3つの波
はじめに
2014年に新卒で入社して8年間勤めたDeNAを退職し、ナレッジワークに転職する。
退職エントリではDeNAでの経験も中心に自己紹介もさせて頂いているので、興味があればご一読願いたい。
転職エントリについては長文となるので、以下のように3つの記事に分けて書いている。
僕の個人的な転職活動経緯に興味がある方は記事①を、イネーブルメントという概念・市場に興味がある方は当記事②を、ナレッジワークという会社に興味がある方は次回記事③を中心に読んで頂ければ幸いだ。
ナレッジワークという会社を早く語りたいところだが、どのような市場でどのような潮流があるかをお伝えすることがその近道と考え、当記事で僕なりの解釈を語りたい。
イネーブルメントとは何か
イネーブルメントは直訳すると「できるようにする」だ。
広義には、人材開発の取り組みや、仕事だけではなく教育という観点でも解釈出来る汎用性の高い概念だ。
イネーブルメントという言葉が近年耳に慣れてきたのは、後述するセールスイネーブルメントという言葉が浸透してきているからだと思われる。セールスイネーブルメントは、営業成果向上に向けた営業組織強化・改善の取り組み全般を指す言葉である。
僕らが使うイネーブルメントという言葉も同様に、成果向上やそのための能力向上を目指した取り組み全般を指す。
イネーブルメントの提供を通じて以下のような体験を世の中に届けたい。
・昨日出来なかったことが今日出来るようになっている喜び
・今日出来なかったことが明日出来るようになるかもしれないという期待
「できる喜びが巡る日々を届ける」ことがナレッジワークのミッションだ。
イネーブルメントがなぜ今求められるのか、ナレッジワークが何を成そうとしているのかはCEOの麻野さんが記しているので是非ご一読頂きたい。
当ブログでは、イネーブルメントの中でもどのような波・トレンドがあるかを、独自解釈ではあるがご紹介する。
ナレッジワークという会社をご理解頂く際の一助となれば幸いである。
イネーブルメントという大海に起きている3つの波
イネーブルメントという言葉は壮大で、大海の如く広い。
その活動に終わりはなく、限りなく大きいニーズ(≒市場)がある。
そのイネーブルメントの領域において、大きく3つの波が来ていると考える。波といっても、一過性のトレンドではなく、確固たる市場を形成するだけの10年以上の大きなスパンの波だ。
それは以下3つの波だ。
そんな大きな波の中で生まれたのがナレッジワークだと認識している。
以下、それぞれの波について簡単に紹介する。
SaaSという波
インターネット業界ではweb3が熱を帯びていく只中において、今さら何をと指摘を頂きそうだ。しかし、やはりSaaSというビジネスモデルは相変わらず続くメガトレンドだ。
現在の市況の悪さを鑑みて懐疑的な方もいるかもしれないが、ファンダメンタルズは底堅く、10年、それ以上のタイムスパンでさらに力強くプレゼンスを高めていくと信じている。
そして、イネーブルメントとSaaSの相性はすこぶる良い。
SaaSの専門家が世に数多くいらっしゃる中で語るのもおこがましいが、端的に言えばパッケージソフトウェアと比較して導入側に以下のようなメリットがある。
イネーブルメントは一日にして成らず、課題感も移りゆく。
長きに渡って顧客と伴走し、最新かつ本質的な課題に向き合うことが出来るSaaSモデルはイネーブルメントを成す上で欠かせない要素だ。
自分もまだまだ不勉強ではあるが、SaaSの成り立ちやその美しさを捉える上では是非『クラウド誕生(マーク・ベニオフ、カーリー・アドラー著)』もご一読頂きたい。
セールスイネーブルメントという波
続いては、セールスイネーブルメントという波だ。
冒頭に述べた通り、セールスイネーブルメントは、営業成果向上に向けた営業組織強化・改善の取り組み全般を指す言葉である。
正直なところ、セールスイネーブルメントという言葉は、僕が営業職に就いていた2014-2015年頃には耳にしたことが無かった。
しかし、ここ10年弱の間にグローバルで急速に市場が立ち上がっているのである。2017年を境にセールスイネーブルメントの機能を有する企業が急速に増えているという。
そして、米国ではすでにHighspotやSeismicといったセールスイネーブルメント領域のスタートアップが累計数億ドルを調達し、悠々とユニコーンの仲間入りを遂げている。
一方で、日本国内のセールスイネーブルメント市場は、徐々にプレイヤーは増えてきているもののまだ市場が確立しているとはいえず、まさに夜明け前という状況だ。
聞いたところによると、米国では「人材流動性が高い」「国土が広く、ハンズオンでの教育や知見共有コストが高い」といった背景があり、営業活動を科学して標準化するセールスイネーブルメントが日本より早く浸透していったらしい。
ここ数年で日本でも急速にCRM/SFAの活用が浸透し、セールスイネーブルメントの市場が大きく立ち上がる土壌は出来ている。
成果やプロセスが明確化出来て科学する余地が大きく、まだまだ高いポテンシャルを秘めるセールスという仕事にこれから大きな革命が起きていくこと間違いなしだ。
ワークエクスペリエンスという波
ワークエクスペリエンスとは「仕事の体験・体感」だ。
僕の解釈では、以下の2つの意味でワークエクスペリエンスの波が起きていると考えている。
前者は、働き方の変化から生まれた波だ。
働き方の変化の一つ目は、リモートワークだ。
コロナ渦によりリモートワークが加速した。リモートワークにより仕事の同期型コミュニケーションのコストが高まり、個として仕事と向き合う時間比率が高まった。僕自身、ここ2年はリモートワークが慣れてきて、気づいたら自宅で粛々とPCと向き合うような時間の比率が増えた。
決して人と働くことの喜びや重要性が無くなったわけではない。
しかし、仕事そのものの体験・体感が、働くことから得る学びややりがいへ強く影響するようになったのである。
ゲームに例えると分かりやすいかと思う。みんなでワイワイと楽しむ"ソーシャル"な楽しさがある一方で、ゲームそのものの面白さが求められる。働き方の変化で後者のような体験の重要性が高まっているといえる。
働き方の変化の二つ目は、仕事の自律分散化だ。
こちらはリモートワークの普及に比べるとよりロングスパンでの変化だ。
年々、求められる仕事・情報処理の複雑化により画一的な業務比率が下がり、仕事の裁量が個に委ねられるようになっている。
自身の仕事の目的・目標・手段・リソースを自分で決めやすい/決めなければいけない状況が増え、仕事から得られる学びややりがいの振れ幅が大きくなっている。
これらの変化を踏まえて、「働く中で得られる学びとやりがいが、組織活動や人間関係の中からだけでなく、仕事の体験・体感そのものからこそ得られるようになってきている」と考えられる。
次に、「2.企業向けのプロダクトやサービスが、機能やコストだけでなく、その使い勝手や触り心地によってこそ選ばれ使われ続けるようになってきている」についても背景を述べたい。
こちらは、ユーザーの嗜好性の変化・深化に伴い起きている波だ。
ビジネスを捉える上では事業はto C , to B などと区分されるが、実際にプロダクトに触れるのは同じ"人"だ。
プロダクトを使うかどうかを主体的に決定するto Cサービスにおいては、その使い勝手や触り心地は自ずと重要視されてきた。Google,Amazon,Facebook,Twitter,Netflixなど、その体験設計が優れていればこそ、全世界的に利用されてきたのは言わずもがなだ。
一方で、to B 事業では往々にして導入意思決定者と利用者は異なり、機能やコストといった言語化しやすい情報が重視され、体験・体感はないがしろにされがちだった。
しかし、to Cとto B のプロダクトの体験・体感の品質格差が広がるほど、to Bプロダクト利用者のストレス・ペインは強くなる。
逆説的にto B プロダクトにおける体験・体感品質が重要視され始めている。
Zoom,Slack,Notion,など… to Bの領域でもその体験設計が優れていればこそ全世界的に利用されるようになってきた。
以上が、ワークエクスペリエンスが注目され、その重要性が高まっていると述べる所以だ。
ナレッジワークは大きな波に乗り、さらに大きなうねりを生み出していく
長文となったが、イネーブルメントという領域に起きている以下3つの波についてご紹介した。
ナレッジワークは、まずセールス領域に特化したイネーブルメントSaaSを、ワークエクスペリエンスの向上を駆使しながら世に提供する。
そして、その潮流を汲みながら、さらに新たねうねりとして、セールスだけでなくあらゆる仕事をイネーブルメントする挑戦をしていく。
「成果に向けて何をすれば良いかが明確になる」
「成果に向けて必要な情報にアクセス出来る」
「成果に向けてどのように成長すれば良いかがわかる」
「成果に向けて必要な学習が出来る」
僕自身、遡れば受験勉強・部活動・仕事まで、そんな要素が揃っているときは間違いなく没頭状態に突入し、人生に明るい変化を生み出すことが出来た。
ナレッジワークは、そんな体験を個人に提供することを通じて、会社の業績や、ひいては社会の生産性に貢献しようとしているのだと思う。
最後に
この記事では、ナレッジワークという船がまさに旅立ったイネーブルメントという海や波・トレンドについて自分なりの考察をお伝えした。
これを踏まえて、次回の記事では僕がナレッジワークという船に乗り込むことにした決め手についてご紹介することで、転職エントリの結びとしたい。
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