黒浜沼
表示
黒浜沼(くろはまぬま)は、埼玉県蓮田市大字黒浜に位置する沼。
概要
[編集]黒浜沼は上沼(うえぬま)および下沼(したぬま)の二つから成っている。付近を流れる元荒川(かつての荒川)の洪水によって形成された自然堤防によって谷地が堰き止められて出来た沼と考えられている[1]。寛永期に沼を横断する堤が築かれ、そこを往還としたことによって沼は上沼と下沼に分かれた[2]。明治期の記録である武蔵国郡村誌には「上沼」は東西2町30間(約273m)・南北3町(約327m)・周囲11町29間(約1253m)、「下沼」は東西50間(約91m)・南北1町30間(約164m)・周囲4町30間(約491m)と記されている。土砂の流入や埋め立てにより徐々にその面積を減らしてきている[2]。
1979年(昭和54年)に「埼玉県自然環境保全地域」に指定され、2009年度(平成21年度)からは緑のトラスト保全地第11号地に指定され保全されている。2000年(平成12年)5月5日には、埼玉新聞社の「21世紀に残したい・埼玉ふるさと自慢100選」に選出された[3]。
黒浜沼から流れ出る水の流末は新堀排水路(新堀)に集められ、最終的に隼人堀川へ流下する。また、かつては掘り上げ田も幾分か耕作されていた。[4]
自然
[編集]さまざまな水生植物群落・鳥類・昆虫類等が確認されるなど沼特有の生態系が残されており、「ホタルの里」として知られている[5]。また、釣り・バードウォッチングのポイントとしても知られている[6]。
2016年上沼の北側2、3割を覆っていた在来種のハスが陸上で僅かに生えている部分を残して突然消滅した。沼に生息する外来種であるミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニによる食害が疑われているが、消滅の原因は判っていない[5][7]。
周辺
[編集]所在地
[編集]脚注
[編集]- ^ 地団研埼玉支部 地ハイの記録(291 - 300) - 地学団体研究会埼玉支部. 2017年11月8日閲覧。
- ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日、350頁。ISBN 4040011104。
- ^ “21世紀に残したい・埼玉ふるさと自慢100選”. 日本百選 都道府県別データベース. 2019年5月6日閲覧。
- ^ 黒浜沼周辺 (1949年1月20日撮影) - 国土地理院ホームページ
- ^ a b 高橋町彰 (2017年6月19日). “蓮田の沼からハス消えた”. 朝日新聞 埼玉13版 (朝日新聞社): p. 27 2017年6月21日閲覧。
- ^ 黒浜沼 (PDF) - 蓮田市、2017年6月21日閲覧。
- ^ 中西公一 (2017年7月24日). “<ひと物語> 黒浜沼周辺の自然を大切にする会会長・渡辺弘司さん”. 東京新聞 (中日新聞社) 2018年7月14日閲覧。
参考文献
[編集]関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 「黒浜沼」 - 埼玉県ホームページ
- 「緑のトラスト保全地 第11号地 黒浜沼」 - 埼玉県ホームページ
- 「黒浜沼」 - 「はすだって?」 - 蓮田市ホームページ
- 「黒浜沼」 蓮田市ホームページ(2011年4月17日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- 都市計画図 - 蓮田市ホームページ
- 「黒浜」 - 蓮田市都市計画図(白図) (PDF) - 蓮田市ホームページ
- 「黒浜沼」 - はすだ観光協会ホームページ
- 黒浜沼 旅と歴史
- 黒浜沼 - ウェイバックマシン(2019年1月1日アーカイブ分) - 有限会社フカダソフト(きまぐれ旅写真館)
- 「黒浜沼(上沼)」 - 原生生物情報サーバホームページ
- NPO法人 黒浜沼周辺の自然を大切にする会ホームページ - ウェイバックマシン(2014年12月31日アーカイブ分)(リンク切れ)
- 『歴史的農業環境閲覧システム』 - 独立行政法人 農業環境技術研究所ホームページ
- 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス